パートナー 第46刊 1月号
発行日 2010年1月
発行人 サンセイ「パートナー編集室」

創立50周年に向けて

社長  冨田 稔

今回は創業社長が昭和8年に旧制高校(神戸高等商業学校第2回生)を卒業して上京し、寿屋(現サントリー)に就職して間もない時、学校に寄稿したエッセイを紹介します。
何しろ、昭和10年ごろの文章(原文通り)ですから、少し難解なところがありますが読んでください。

「酒について断想」第2回卒業 中野芳男

呑むべし・・・・・・禁酒強制の愚

十八世紀に節酒運動が英国で起り、十九世紀に入って禁酒運動となり、1919年米国に禁酒法が行われ、三三年間同国で解禁運動が勝利を得、事実上に酒論の解決を告げた。
 酒の事はキリスト教で重きを置かず、佛教でこそ五戒の一としたのに、佛教国で酒を問題とせず、却ってキリスト教国で禁酒運動を起し、キリスト教国ならぬ日本にまで波及し、佛教僧徒が之に倣い、禁酒を標榜するのがあること、本家が本家に非ず、分家が分家に非ず、本家が分家か分家が本家か、あやふやの儘で禁酒が世界的運動の一となった。
 米国で禁酒を断行するまでは禁酒が理想に属しこれが実施は大なる困難を伴うものと見做されて居たが、米国の断行は彼等を呆然たらしめ、米の力を以て禁酒は何処まで発展するか測り知れぬとまで言ったが、間もなく金次第で如何なる酒も飲めると聞き、其の励行も考えものとされた。金持ちが勝手に良い酒を飲み貧乏人が悪い酒でも飲もうとし、それが飲めぬので悶えるとあっては禁酒も何もあったものではない。何故に絶対に禁酒しないかと責めたとて禁酒し得ないのでは仕方がない。

酒は適度に飲めば決して有害ならず、心裕かになり俗界にありて天上に遊ぶが如し、朗らかに、疲労を忘れ、明日の活動力を養い、過去の苦汁を忘れしめる。
 人は其の人生に対して欲望、執着がある、ひいては何事に対しても不平が存在する。不平の絶頂は虚無であり、自暴自棄であるのだ。
 人生は僅か五十年!何を求め、何を争わん!ただ看る!一盃の酒を!此処に真の人生存在せるにあらずや!
 キリストは禁酒した覚えは更にないが、あとの糟粕をなめた弟子達が、たまたま酒の弊害のみを認めて禁酒律を作り上げたものだ。
 所詮酒癖の悪き奴輩は酒を飲んではならぬ。彼等の曲った根性や醜い癖が益々醜く拡大するからである。当初節酒運動の起こったのはかかる連中に対したのであり、それが次第に廣きに及び遂に普く禁酒運動になった。

世間によき酒飲み 即ち笑い上戸のみならば誰も禁酒を考えないであろう。アルコールの特に身体を害する者を除けば、無差別に禁酒を強制することの愚かさを知ることであろう。

 

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